セカンドオピニオンという言葉を一度は耳にしたことがあるかと思いますが、詳しく理解していない方は多いのではないでしょうか。
そこでセカンドオピニオンを受ける際の具体的な事例やメリット、デメリットなどをわかりやすく解説していきます。
セカンドオピニオンについて
セカンドオピニオンは日本語で「第二の意見」を意味します。
簡単に言うと患者さんが診断を受けた病名や治療法に対し、主治医以外の医師に意見を聞くことです。
例えば、主治医から「肺がん」の診断を受けたとします。
通常であれば、その主治医から肺がんについての治療方針や治療方法の説明を受け、同意をすることで治療が開始されます。
しかし、説明を受けた治療法に納得ができない可能性や他の違う治療法がないかを探したいと思う方もいます。
そこでセカンドオピニオンを利用するという選択肢が生まれるのです。
セカンドオピニオンは当たり前のこと
今や医療情報がネットやメディアを通し、得られる知識がたくさん溢れています。
患者さんの中には「別の治療法を行っている医師に、今回の診断結果と治療法に対する判断を聞いてみたい。」という方も多くいます。
このように患者自身が納得して治療が行われるのは、今や当たり前の時代なのです。
別の医師に「第2の意見」を求めるのは、ごく普通のことで「主治医に申し訳ないから…」と遠慮する必要はありません。
「この治療でよかったのかな。やっぱり他の先生にも聞いた方がいいのかな」と少しでも気になるのであれば、セカンドオピニオンの検討も視野に入れておきましょう。
セカンドオピニオンと転院・転医は違う
セカンドオピニオンの意味を勘違いしないようにしましょう。
例えば、紹介状なしで他の病院の診療を受けに行くのは、セカンドオピニオンではありません。
「前の病院の医師が苦手なので、別の病院の先生の所で診てもらってる」
「今の主治医には内緒で、別の先生からセカンドオピニオンを受けたい」
上記の場合、「病院・医師を変える」イコール「転院または転医」ということになります。
但し、主治医の紹介でセカンドオピニオンを受けた後、結果的に別の医師のもとで診療を受けるために転医することはあり得ます。
必ず主治医に相談する
セカンドオピニオンを受けるということは、主治医の紹介状や検査結果を他の病院に持参する必要があります。
この紹介状は、患者さんの基本情報やこれまでの病気や今回の診断などについて書かれている情報提供書になります。
今の主治医に「他の治療法も視野に入れて検討を進めたい」旨を伝えて、別の医師のもとに診察に行くことがセカンドオピニオンなのです。
セカンドオピニオンのメリット
正しい病名がわかることがある
本当は「腎臓がん」だったが「腰痛」と診断されていて、初期のガンを見落としていたという事例を過去のメディアで聞いたことがあります。
医師に診断されると信じてしまいがちですが、別の病気が潜んでいる可能性はゼロではありません。
もし、主治医の診断に対し、少しでも疑問や不安を感じるようであれば、セカンドオピニオンの検討を視野に入れておきましょう。
別の治療法がないか意見を聞ける
主治医のもとで行われていない治療方法があるケースもあります。
「テレビやネット等のメディアで知った治療方法が気になる…」と思った時には、別の医師の治療法を聞いてみたいことを主治医に相談してみましょう。
より納得して治療に臨める
最初の主治医の説明で納得ができなくても、他の医師なのに同じ意見で納得できるケースや、他の治療方針を提示されて同意するケースなど、様々パターンがあります。
患者自身が「この治療法ならぜひ受けたい」と納得するためにもセカンドオピニオンは必要なのです。
セカンドオピニオンのデメリット
診療費は自己負担
セカンドオピニオンは保険が適応されません。診療ではなく相談になりますので全額自己負担になります。
病院によって金額は異なりますが、相場として30分〜60分の相談で3万〜5万円ほどではないでしょうか。
高い費用は負担にはなりますが、納得して治療を受けることができるなら価値のある出費なのかもしれません。
逆に混乱してしまうケースもある
「この治療で行きましょう」とハッキリ言ってもらいタイプの人にセカンドオピニオンは向かない場合があります。
複数の意見を聞くことで、それぞれの内容や自分の中の考えが頭の中で混乱してしまう人がいるからです。
自分一人ではなく、信頼できる家族や友人に付き添ってもらうことで一緒に考え、冷静な判断ができる場合もあります。
セカンドオピニオンを受ける方法
セカンドオピニオンを受けると決めたら、まず主治医に相談します。
「主治医に言い出しづらい…」という人は、看護師や院内の相談員を尋ねてみるのもいいでしょう。
相談後、セカンドオピニオンを受ける病院を決めたら必要な書類などを用意します。
一般的に、紹介状、検査結果資料の用意を求められることが多いです。
セカンドオピニオンを受ける病院を受診した後、主治医に結果を報告し、再度治療方針について話し合います。
もし転院を希望する場合にはここで申し出ます。
信頼関係のもとに治療は成り立つ
セカンドオピニオンで大切なのは、主治医に自分の気持ちを率直に伝えることです。
主治医との信頼関係のもとに治療は成り立ちます。
相談がしづらい医師であったり、セカンドオピニオンを伝えて嫌な顔をするような主治医であれば、自身の主治医が本当に正しかったのか見極めも必要です。
「自分の体は自分で守れ」とは昔から言われますが、まさにそのための制度とも言えるでしょう。