最近よく聞くようになってきたオンライン診療。
実際に受けようとしても実態がわからず、結局、医療機関に直接受診しに行く方がほとんどではないでしょうか。
オンライン診療の概要や実際に受けた人の体験談、受け方まで、わかりやすく解説していきます。
今後、もしかしたら誰もが活用する機会があるため、理解を深めていきましょう。
オンライン診療とは、遠隔診療
オンライン診療とは、漢字に直すと「隔診療」になります。
パソコンやスマートフォンなどのビデオ通話やチャット機能を利用して、患者は自宅から医師の診療を受けることができます。
・予約
・問診
・診察
・処方
・会計
これらをインターネット上で完結させるシステムですが、全ての診療を行えるわけではなく、以下のように制限もあります。
・オンライン診療を受けられる疾患は限定されている
・初診は対面での診察が必須
※2021年1月現在は新型コロナウイルスの影響もあり、初診でもオンライン診療が可能となるケースもあります。
オンライン診療のメリット
オンライン診療は、患者側・医療者側双方にメリットがたくさんあります。
・通院する負担の軽減
・予約は診療時間外でも24時間可能
・医師以外との対面がないため、通院を知られるストレスが無い
・院内感染や二次感染を防止できる
・オンライン決済のため会計の待ち時間がなくなる
・処方箋を郵送してもらえるため、都合のいい時間や場所で薬局に行ける
・院内処方の場合は、薬自体を自宅に郵送してもらえることもある
・引っ越ししても、かかりつけ医を変えなくてもよい
・事前問診が行えるため、スムーズな診療が行える
・患者の実際の生活の様子がわかるため、治療方針がより立てやすい
・遠方の地域の患者の診療も可能
・諸事情で通院が途絶えがちな患者も継続して診療できる
・受付や会計などの事務作業の負担が軽減する
オンライン診療のデメリット
オンライン診療のメリットを挙げましたが、対面診療でないことによるデメリットもあります。
・触診や血液検査などの診断のための情報量は不足する
・重篤な症状の兆候の発見や急変の対応ができない
医師は、患者の言葉から症状を聞き出すだけでなく、触診や五感を使った診察や検査など行うことで診断を下します。
そのため、診断を出すための情報量が足りなければ通院になることもあります。
オンライン診療を受けた事例
体力面の負担が軽減した例
遠方だが、どうしても診察を受けたい医師がいる。しばらく遠距離でも通院生活をしていたが、毎回の通院は大変だからと、医師からオンライン診療を提案してもらう。がん治療後のカウンセリング目的の診療のため、対面は必須ではなく、交通費や体力面の負担が大幅に軽減したため助かっている。
仕事の合間に診療を受ける例
謎の発疹が出現。オンライン診療の初診に対応している医療機関を調べ、問診回答し、自宅で仕事をしながらの診療の予約を行う。予約時間前にアプリを介したメッセージで患部の写真を送るよう指示を受け、その後は電話による診療を受ける。診断を受け、疾患の概要説明や内服の指示をもらい、近所の薬局に薬を取りに行く。無駄な待ち時間がなく、感謝している。参考:日経クロストレンド
重篤な症状が無ければ、オンライン上での診察で完結するケースも多くあります。
高齢社会において病院へ通うという体力面の負担の軽減、また受付後や会計などの待ち時間が無いメリットを患者側は強く感じているようです。
オンライン診療の受け方
オンライン診療を受けるまでの基本的な流れは以下のようになります。
①オンライン診療を実施している医療機関・診療内容を調べる
②オンライン診療を実施している医療機関へ診察の事前予約
③オンライン診療実施
④診療後の指示を受ける(受診する、処方箋を受け取り薬をもらいに行く等)
オンライン診療を実施している医療機関や対象の診療科は、厚生労働省のホームページで確認できます。☞厚生労働省公式サイトはこちら
オンライン診療・電話診療を行うことを表明する医療機関は、全国で約16,000施設以上あり、コロナ過の今も増え続けています。
オンライン診療に必要な環境や機器
オンライン診療を導入するにあたり、用意が必須なものが医療機関側も患者側も同じで、以下のものが挙げられます。
・インターネット環境
・スマートフォンやパソコンなどの通信機器
・オンライン診療サービスのアプリ
・医療機関側は必要に応じてウェブカメラやマイク
現代ではスマートフォンが普及しており、インターネット環境に関しては多くの人が利用しています。
そのため、改めて用意することは「アプリを入れる」ということくらいではないでしょうか。
個人情報の入力以外の面倒な準備が特に無いのもオンライン診療のメリットと言えます。
増えて行くオンライン診療
患者側、医療機関側にもメリットの多いオンライン診療なので、今後も導入する医療機関は増えていくでしょう。
患者側としても希望の医療機関がオンライン診療を行っているか、今後開始予定であるのか、情報はしっかり取っておきたいところです。